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特別講義~伝えたい事・知ってほしい事~

2007年11月7日
 講義の一環で当学院講師網野先生が前所長をされておられました
(財)福岡県動物管理センターへ全生徒合同講義で見学に行ってきました。

動物管理センターとは動物を殺処分する施設です。
日頃から動物について学んでいる生徒達ですが、なぜ、動物を殺さないといけないのか。“命の大切さ”の本当の意味は何なのか。頭で解っているだけでは人に伝えられない大切なことを肌で感じる一日でした。

福岡県古賀市。
 とても静かなところに(財)福岡県動物管理センターはあります。
そこで見たものは分厚い檻と動物の命を奪う機械そして焼却炉などです。一般的に安楽死のイメージは苦しまないと思われがちですが、炭酸ガスによる処理は次第に呼吸が出来なくなり窒息死するというものです。あっという間ではなく、長い時間苦しんで死に至る。見るに堪えがたい苦しみ方をするそうです。
その言葉に、生徒達は息を飲みました。
殺処分設備の一部殺処分をコントロールするボタン
 福岡県は、全国ワースト1位の殺処分数です。毎日何十頭(多い日には100頭以上)も犬や猫が運び込まれ、殆どが即日処分となります。

 殆どの犬は飼い主が直接連れてくる犬たち。
「引っ越しで飼えなくなったから」
「いつの間にか子供を産んでしまって育てられないから」
「産ませたんだけど、予想以上にたくさん生まれて引き取り手がなかったから」
「言うことを聞かないから」
「夜鳴きして近所迷惑だから」
「人をかむ犬になってしまったから」
「病気になったから」
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自分勝手な理由の数々に言葉を失います。

犬を連れてくる人の中には、

「言うことをきかんバカ犬やけん連れてきた。次の譲渡会はいつ?もらいに来るけん。」

などと信じられない事を言う人もいます。
当然、そういう人には譲渡会でも犬は譲れません。
センターの方々は、一頭でも処分に連れて来られる犬が減るようにといつも願っており、施設内で「しつけ教室」などを開催して、
飼い犬も飼い主も勉強する場を作ってます。しかし、そういう活動を必死に行いながらも連れて来られる犬や猫の頭数はゼロにはなりません。処分しなければ野犬が溢れ、最悪の場合は悪い病気が流行ったり、都市が衛生的でなくなったり、野犬に襲われたりと、人にとっても動物にとっても安心できない都市になるということです。

 処分された犬たちは火葬され灰になった後、肥料として活用され野菜や果物を育みます。私たちが日頃口にする食べものはそのような命の繋がりで育てられたものなのです。今から亡くなる犬たち、私たちに食を与えてくれている動物たちにセンターの方はいつもその事を思い「感謝」をされているそうです。

この日も6頭の仔犬達が譲渡会の日を待っていました。
譲渡会を待つ仔犬譲渡会を待つ仔犬と生徒
「本当はもっとたくさん新しい飼い主のもとへ送り出したいところだけど、誰でもかまわずに渡す、というわけにはいきません。健康状態が良くてそれぞれの持つ性格が社会に適応できそうな仔犬の中からほぼ“無作為”のような状態で運良く残った仔犬達がこの子達」です。

 なぜ、簡単に譲渡することが出来ないのかその理由は深刻なものでした。譲渡会では本当にその犬と一生を共に出来る飼い主であるか、飼育が可能な環境であるかのヒアリングを行った後
里親に仔犬を引き渡しますが、それでもどうしても飼えなくなったという理由から殺処分になるケース。避妊去勢が条件だったにもかかわらず「やっぱり可哀想」などという理由で手術をしないケース。外に逃げ出した拍子に妊娠して戻ってきて、生まれた子供達が数十頭になって管理センターで処分することになるケースもあるようです。それでは殺処分の件数が増えるばかりです。
可能な限り「命を預けられる家族」「約束を守ってくれる家族」という信頼を置ける方に“しか”里親になれないのです。

 よく言われる事ですが本当の「しつけ」とは動物に対してではなく、飼い主である人間に対しての「しつけ」でもあると。

「動物を飼うと言うことは、命を預かるということです」
という言葉に動物業界に携わろうと志す人間として責任の重さを痛感させられた生徒達でした…。